神の業
MELODY LINE

スティービーワンダー
小椋佳
角松敏生
そして、私、ミスターシリウス

みんな、奇しくも同じ事を
心に抱き、語りつづけている
それは、メロディーラインは
自己とは別の、音楽の神様が舞い下りて
自分の体を通して何かを生み出している

と、いうこと



裏返せば、神の飛来がとまれば創作も凡なるものに帰してしまうということ
だからこそ、かくも絹糸の如き繊細な精神工程を経て生み出される
このメロディーラインこそが何にもまさる至宝
音楽の最上の喜びは、実は心躍る優れた旋律にこそあるのだ



   ♪♪♪♪♪♪♪

残る音楽要素、リズム、ハーモニーは知識を取り込み、鍛練を繰り返し、
年輪を積み重ねるごとに、確実にグレードアップする。

しかし、メロディーだけは別物だ。譜面もかけないような初心者が
万人の心をうつような物を思いつくこともあるし
長年、名作曲家として崇められるアーティストが
急に何も浮ばなくなってしまうこともある
神の力と自身の求むる心、双方の引力が作用してこそ名作は生まれる




   ♪♪♪♪♪♪♪

何が後世に語り継がれていくか

まず音色ではない。
当時、あんなに衝撃的だったキースや富田勲先生のモーグ?シンセサイザーも
今となっては奇妙な印象しか残し得ていない。
ハモンドやメロトロンの様な無比の音色をもつものを除いて
音色はテクノロジーの反映であるがゆえに、また衰退も加速的である

次にビートでもない。
フュージョン全盛期にNOWだとされたものも、今は古の産物であるし、
おそらく今もっともCOOLとされるダンサブルなMUSICやラップも、
十年後に平成ひとけた人類に失笑されている可能性は大だ。

「ジャングル大帝」「新日本紀行」等々で富田先生が展開した
あのリリシズムに溢れた旋律こそいつまでも心に宿る宝である



   ♪♪♪♪♪♪♪

現代はビートメイカーは増えたが、メロディーメイカーが希少になった
昨今の曲のメロディーラインのみをピアノで弾いてみるとわかるだろう
どれだけ我々がアレンジにごまかされているかが...
たとえばニーノロータの「ロミオとジュリエット」のように
優れた作曲とは、主旋律のみのなかに色と表情と輝きが存在するものだ。

色々な曲を鑑賞するとき、ぜひ耳をたててこの事を聞き取って欲しい
次第に本質が見え、あなたの感性が磨かれていくことだろう。


ロック全盛期、我々は溢れ出る良質のメロディーの洪水の中にいた
それは主旋律のみならず、ロックの魂たるべきリフにも
レッドツェッペリン、ディープパープル、クイーン..
何か目にみえぬ大きな力が地球に舞い下りた時代であった



   ♪♪♪♪♪♪♪

今も確かに素晴らしいものはある
が、それは数ある凡なるものの中から
一握の光明を見出すような聞き方ではないのだろうか
あの頃は、毎週のように良質のメロディーが誕生していた
我々はまったく贅沢な悩みの中にいたわけである。


たぶん、若いみなさんは「それはおっさんの偏見や」というかも知れない
そうだとしたら、それは、皆さんに本物を伝えきることのできなかった
我々ロック第三世代の責任ですらあるのだ。



   ♪♪♪♪♪♪♪


くどいようだが、重ねてこれだけはいいたい
とにかくメロディーこそ音楽の、ロックの命であること
是非に認識して欲しい
そうやって意識的に鑑賞し創作して行って欲しい、私の切なる願いである

Mr.Sirius      


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