backhome

文・著作権 鈴木勝好(洋傘タイムズ)

Y O U G A S A * T I M E S * O N L I N E
◆◆◆ 傘の耐用年数 ◆◆◆



製品リサイクルや廃棄処分に対する社会的関心が高まっているようです。傘もいずれ
はこうした問題に直面することになるかと思います。
一般の人から、「傘の耐用年数は何年位ですか?」という質問を受けたりしますが、
業界として明示したものは出ていないようです。リサイクル等の関連で、耐用年数も
問われるかもしれません・・・・・。


 雨傘に関しては、平成6年10月にJIS規格(JIS S4020)が制定されており、現在の
JUPA基準(日本洋傘振興協議会)はその内容をそっくり採用したものです。
 上記JIS規格の「耐久性」では、500回の開閉試験が求められています。(学童傘SG
基準でも同じ)
これは、JIS L1092(繊維製品の防水性試験方法)の「解説表6」(コート類、雨傘の
耐用年数と使用日数)を根拠にしたものです。
 この「解説表6」では、雨傘(男・女別)の使用日数と耐用年数を次のように算出
しています。
   
       年間平均使用日数   実際に使用する総日数    耐用年数
                              

男性用雨傘   49.4日         177.7日         3.6年

 
女性用雨傘   42.4日         140.1日         3.3年

※ 耐用年数 :買ってから使わなくなるまでの平均年数)

上記の年間平均使用年数(42〜49日)と基に、一日の開閉回数を平均10回と想定して
500回の開閉試験が設定されています。
 これを逆にすれば、雨傘の耐用年数は3.3〜3.6年になります。


 現在、市場に流通している雨傘の何割位がこの500回開閉試験に合格することで
しょうか
(500回開閉試験機は財団法人 日本洋傘検査協会 に設備してあります)

 耐漏水性(雨もり)については、毎時20ミリの降雨状態(かなり強い雨)に20分間
放置した後、傘の内側に伝水が無いかどうかを目視し、また縫い目等に水滴が発生し
ている状態を調べます。
(水滴20粒以内を合格と判定する)。


〔参考〕

  10ミリ以上の降水日数 (1961〜1990年の平均値)

  札幌   33.3日     名古屋   47.8日
  秋田   55.6日     鳥取    63.3日
  仙台   35.9日     大阪    42.6日
  金沢   85.7日     福岡    46.1日
  東京   43.1日     那覇    50.1日


 
最近の価格志向の市場で、とかく品質面が等閑視されているように思えるのは残念で
す





B A C K