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文・著作権 鈴木勝好(洋傘タイムズ)

Y O U G A S A * T I M E S * O N L I N E
地震と雨





怖い地震も天気予報に効
 怖いもの(こと)の代表として、昔は「地震、雷、火事、おやじ」などと言われて いた。おやじは、直接的には親父だが、近所の頑固親爺なんて者もいて、むしろ 親父より怖いほどであった。親父も何時の頃からか権威?が失墜してしまい、近頃 は誰も怖いなんて感情を抱かなくなっているようである。  これに対して前の三つは、今でも怖いものの御三家的な地位を保っている。その 筆頭にある地震は、「いつかは必ず起こる」潜在的恐怖として大いに不安感を駆り 立てている。    地震の予知が可能なのか否かは知らないことだが、仮に可能だとしても却って 不安が募ったり、周章狼狽(しゅうしょうろうばい)に追い込まれるような気もする。 地震の予知はともかくとして、地震の起きた時刻から、その後の天気を予報する 俚諺(ことわざ)は昔から各地に伝えられている。
 ■地震から雨を予知する俚諺   ・朝の地震は雨   ・朝夕に地震あれば雨   ・地震あれば3日のうちに必ず雨   ・地震多きは雨の兆し   ・地震の多い年は雨も多い  ■地震から風雨を予知する俚諺   ・朝の地震は雨または風   ・朝の地震は風、昼の地震は雨  ■地震から晴天(日照り)を予知する俚諺   ・雨中の地震は多く晴天となる。   ・朝8時頃の地震は日照りの兆し   ・夕方の地震は晴れ  ■地震から風を予知する俚諺   ・地震があれば多くの場合風が吹く   ・早朝の地震は風  地域差などもあって、俚諺相互には矛盾もあり論理的な一貫性には乏しい面もある が、ある種の経験則から生まれた内容と受け取るべきであろうか。
以上を集大成した形の成句として『五七は雨に四ッ日照り、六ッツ八ッツに九の病』 または『九は病、五七の雨に四ッ日照り、六ッツ八ッツならば風と知るべし』がある。 昔の時刻で四ッは現在の10時とその前後2時間(昼夜とも・以下同じで)、五ッは8時、 六ッは6時、七ッは4時、九ッは12時に相当する。『九は病』は、天気と関係がなく、 九を苦に掛けた語呂合わせといえよう。
 さて予知の当たる確率であるが、元東北大学教授中村左衛門太郎博士の調べた ところによると、地震後24〜48時間(1〜2日)以内の雨・風が通常より多く見られ る傾向が認められ、更に発生時刻による2日間内での適中率は次のようになるそう である。   ・五七の雨…………………67%   ・六ッツ八ッツの風………71%   ・四ッ日照り(晴)…………23%  雨、風とも約7割の確率というのは、予知としてはかなりの精度になると思われる。 気象庁の天気予報とも合わせて、正否の精度を調べてみるのも無駄ではないかも知れ ない。  なお、地震発生は、気圧の極大時から極小時に向かう時刻、また低気圧の中心が 500KM位に近づいた時に起こり易いとのこと。併せて生活の知恵として活用できれば 良いのだが・・・  

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