心斎橋みや竹 匠の傘専門店 明治二十九年


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匠の傘専門店 みや竹 > 匠の傘の魅力 > 匠の傘総合マニュアル > 傘のお手入れ(基本編)

傘のお手入れ

基本編
(デイリーメンテナンス)

匠の傘では、次の3つがメンテナンスの幹となります。

  1. スプレーは変質や汚損を招くリスクがあります。「最終手段」と考えてください。
  2. 基本は水洗いです。洗剤を希釈し使用する場合は、表面の部分的な汚れ落としと考えてください。丸洗いや本格的な洗濯はできません。
  3. 大事なのはデイリーメンテナンス。誰でもできる基本編をマスターしてください。

匠の傘は、上質な生地を使っており、繊細な風合や色彩、巷に溢れる傘にはない佇まいが「いのち」です。このマニュアルでは、そういった価値を損なうことなく、無理なく実践していただける方法をプロ目線から解説してまいります。

水掛け

雨には不純物が沢山含まれています。これが生地に残留することで変色をおこす可能性があります。そこで使用後の水掛けを実行してみてください。かなり効果があります。

使用後に上水(水道水)を全体にかけて「雨」を「水」で洗い流すのです。

ホース掛けがベストですが、綺麗に洗ったペットボトルで代用してもいいでしょう。またお風呂場でシャワーをかけても結構です。汚れが蓄積してから洗剤であらうよりも、ずっとシンプルで簡単な手入れ方法です。特に明るめで繊細な色ほどこれをしたほうが良いでしょう。私のなくなった母も、永年実行して薄色の傘を美しくキープしておりました。

使用後すぐにホースで水掛けがベスト
使用後すぐにホースで水掛けがベスト

または綺麗なペットボトルで代用
または綺麗なペットボトルで代用

お風呂のシャワーで水をかけてもOK
お風呂のシャワーで水をかけてもOK

水切り

※この内容は2009年6月12日NHK「生活ホットモーニング」でお話しをしたものです

間違った水切りで傘の寿命が著しく縮まることがあります。よくありがちな間違いとは…

×傘全体をふって 水を切る
×傘をトントンと地面にあてて水を切る

傘のハンドルやシャフト部分に大きな負荷をあたえ、累積したストレスで 割れたり折れたり曲がったり傘全体のバランスを崩す原因となるからです。

×傘を閉じてからクルクルっとまわして水を切る

上下のろくろや親骨:受骨のジョイントの部位に大きな負荷をあたえて、天頂から雨水が入り込んで中棒をつたう症状がでたり骨が損傷する恐れがあるからです。
いずれも思ったほど水は切れません。ではお薦めの水切り方法は・・・

◎傘を開閉して水を切る

周囲に人がいないことを見定め、斜め下方向の地面に向けて 静かに開閉して水を切ってください。中棒にそって「開いて、閉じる」すべての動きが 傘の使用方法の想定内なので全体のバランスを崩すことがないからです。

傘に限らず、世の中のすべての道具には想定された動きと、想定外の動きがあります。
大事に扱っているつもりなのに 知らず知らずのうちに傷めていることも多いものです。
雨の日の大事なパートナーである傘にも思いやりをもって 接してあげてください

傘を開閉して水を切る

一夜干し

理想は「早めに陰干し」。できれば使ったらすぐ開いて干して下さい。しかし干せる環境が整わないというのが現実ではないでしょうか。そこで使用直後は(できれば水掛けをしてから)水分をよく払い、金属部を乾いたタオルで拭いて簡易的な手入れをしておき眠るときに朝までずっと開いておく「一夜干し」スタイルをお薦めしています。

ご家族が寝静まるとき、家のどこかに必ず空スペースができます。生活時間帯では使えなかった場所も、就寝時なら朝まで使えます。そこでひと晩開いておきましょう。お手入れは何も難しいものではなく、乾くまで開いておくというシンプルな考えでいいのです。

ベストは全開きですが、それが出来ない場合、シャフトの中間に紙か布などをあてて、大きめのクリップで挟むと「下ろくろ」が留めたい場所でとまってくれるので、省スペースで半開き(中びらき)ができます。これならどこでも干せますね。

夜の間の空きスペースで全開き干し
夜の間の空きスペースで全開き干し

中棒に当布(紙)をしてクリップで挟む省スペースでの半開き干しも可
中棒に当布(紙)をしてクリップで挟むと、省スペースでの半開き干しも可

折畳傘の場合は、中棒を少し縮めれば自立干しも出来ます。緩衝材ぷちぷちを筒状にしたものを用意しておけば、メンテナンス時のハンドル保護に役立ちます。干す時の注意点は上ろくろ側(石突がある側)を下にしないこと。ちょうど漏斗(ろうと)のような形状になるので、中に残留した水が骨づたいに上ろくろに集結しサビる要因になります。

折畳傘の自立干し
折畳傘の自立干し

筒状にしたぷちぷちがあればメンテに重宝
筒状にしたぷちぷちがあればメンテに重宝

上ろくろを下にして干すとサビの原因に
上ろくろを下にして干すとサビの原因に

傘巻き

傘を長持ちさせるという意味で「巻き方」も「お手入れ」の一貫としてとらえて下さい。
生地の大敵は擦れ、手垢、手の脂です。親しみ易いイメージで解説しましょう。

イメージ解説1

イメージ解説2

イメージ解説3

傘生地の表面は、蓮の葉状になっており、突起が沢山出ているような状態です。これによって雨がころころ転がって水をはじいています。ところが生地が擦れたり手の垢や脂が付着することで目詰まりを起こし、突起も倒れて寝てしまい、雨が転がらず貼り付いてしまうのです。

この症状は主にコマの折り山付近で起こりますが、これは巻くたびにここを手で擦るからなのです。濡れて汚れた生地を、濡れて汚れた手で擦り付ければ、生地に必ず手垢がついていきます。そこで、巻くときに生地に触れないスマート巻きにトライして下さい。

生地を極力触らず擦らない『スマート巻き』のススメ

傘を閉じたら片手で露先を束ねるネーム紐を向こう側からまわし傘を少し斜めに倒しながらネームを引き上げる

ネーム紐は軽く引き上げている程度時々ネーム紐の引っ張り具合に強弱をつけて、生地をほぐして整える最後だけはネームをしっかり引っ張りボタンをとめる完成

※折畳傘は主に裏側にふれることになりますので、ここまで気をつかう必要はありません

中間部が若干膨らむこともあり、細い(スマートな)巻姿という意味ではありません。しかし生地には殆ど触れないことで、手垢問題が解消される賢い(スマートな)巻き方です。

外出時はこの要領で纏めていただき、最終的に家でお仕舞いになるときは、乾かした生地を、綺麗な手でキッチり巻けばよいのです。誰でもコツを覚えれば、すぐ出来ますので早速トライしてみてください。

傘にダメージを与えない「水切り」。汚れ予防として簡単に実践できる「水掛け」。眠っている間に無理なく陰干し「一夜干し」生地に触れない「スマート巻き」これらのデイリーメンテナンスを知り実践をしておけば、傘の健康寿命を延ばすことができます。

傘もローテーションが大事

ピッチャーとおなじで、複数の傘をローテーションしたほうがそれぞれの傘が長持ちすることも覚えておいてください。特に雨が続く時期は、乾く間もなくヘビーローテーションで使い続けると、傘に大きな負担をかけ寿命を縮めます。一本を休ませているあいだに、別の傘が使えるチームワークを築けば、それぞれが永く活躍できるというわけです。

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